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インタビュー

なぜいま中学受験か
【第2話】探究学習の環境づくり

毎日新聞社

 浜学園の松本茂学園長と日能研関西の森永直樹取締役(以下、敬称略)へのインタビュー第2話は、拡充の方向に進む探究的な学習の環境をいかにして創り出していくのかについて考えます。【安部拓輝】

■大学入試改革との連動

大学入試改革に伴って、私大はもちろん国公立大でも総合型選抜の定員が拡充されています。中学や高校の教育はどのように変化しているのでしょうか。

森永
 東北大をはじめ、九州大、筑波大などは筆記試験だけではなく志望動機書や面接を含めた総合型選抜の定員の方が大きくなっています。こうした大学では、長年にわたってこのような選抜制度を取り入れ、入学してきた学生をモニタリングしてきています。そうすると、総合型選抜で学ぶ動機を自分の言葉で語れるように自分と向き合ってきた学生の方が圧倒的に伸びる、もしくは研究者として成功していると分かってきました。選抜制度はそうした方法へと今後も変わっていく方向にあります。
 そうなると、中高の時期から自分の世界や興味の幅を広げることが重要になります。それが、探究的な学びの時間です。公立高校でも積極的に取り組んでいますが、各教科の履修内容は変わらないのに加え、共通テストに情報も追加されて、高校3年間で受験科目に必要な授業時間を確保するのがたいへんです。そのような状況の中で探究的な学びの機会を確保するのにも限界があります。
 これまで教科書の内容を与えられる授業しか受けてきていない生徒たちも、いきなり「何か探究しろ」と言われても探究課題に設定するテーマが浅くなってしまいがちです。

浜学園の松本さん(左)と日能研関西の森永さん

 これもやはり、中学3年、高校3年という制度に課題が生じているのです。私学の中高一貫校は、高1で履修する内容を中3に前倒しすることで、探究の機会の拡充に努めています。中3の冬に3カ月の短期留学プログラムを組み込んでいるのは、その一つですね。学校説明会では上級生が探究学習の内容を紹介していたりしますが、あのような発表ができるレベルまで伸ばすのには基礎から積み上げる必要があります。中学年代から高校の先輩たちの姿を見ておいて、そこから逆算する形で普段から何を意識して生活するのか、学びの視点を養っていく必要があります。学校のある地域で、海外でいろんな体験を積む機会を得てこそ、自分で考えて行動できます。

武庫川女子大学付属中学校・高校は2024年度に普通科を再編成し、探究的な学びを充実させている

■個性的な仲間からの刺激

探究の積み上げ方と、その量に違いが出てくるということですね。

松本
 一緒に学ぶ仲間にも特徴があります。地元の中学校と比べて、私立の場合は全国から多様な生い立ちや経験を持つ生徒が集まってきます。文化祭などで何か取り組むにしても、話が早いし視点が違う。一緒にいる仲間と創り出される環境によって、お互いに刺激を受けて磨かれていく。多くの生徒は大学に入って全国から来た学生と交流する中で視野が広がるわけですが、それが中学校から始まる感覚に近いと思います。

森永
 突き抜けた個性を持つ生徒が集まると、探究の芽が勝手に育つところはありますね。例えばアプリ開発が趣味だという中高生は、その世界の中ではけっこういたりします。その分野で自分を超えるスペシャリストがそばにいるという環境は代えがたいです。そこに我が子を入れて、どんなふうに刺激を受けて成長するか見てみたいという保護者の期待はよく分かります。

大阪桐蔭中学校高等学校は週1時間、中1から高2までの生徒が一緒に研究活動に取り組む=同校提供

 次回は12月24日に公開。切り離しが進む部活動などを事例として、社会の変化に学校がどう対応しているのか考えます。

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