インタビュー
春休み 学習意欲を伸ばす機会に
毎日新聞社
北嶺中(北海道)の郷頭竜也副校長は、「入寮するとしばらく勉強できなくなる生徒が毎年います」と話す。受験に向けて親に手厚く管理されてきた子たちは、学習意欲よりも親元を離れた解放感が勝ってしまうからだという。中学生になる子のために親は何ができるのだろう。【安部拓輝】
詰めるより疑問を残そう
日能研関西で個別指導に関わる小松原崇史さんは、「解答をチェックして『こんな問題も解けないでどうするの』と詰めるのは逆効果。それでは大学受験までもたない」と指摘した上で、「どこが分からないのかを一緒に整理して、書き残しておくこと」を勧める。事前の課題学習で全てをマスターする必要はなく、「疑問を持って授業に臨むことが大事」なのだという。
中高6年間の道のりは長く、偏差値に一喜一憂するだけでは味気ない。浜学園の山田晃一さんは「学習も一種のゲームだと捉えてみてはどうでしょうか」と発想の転換を提案する。例えば英語の模試の戦闘能力アップのためにまずは地道に単語のレベルを上げていく。記述式問題には文法の技を繰り出してクリアする。「自分のレベルを上げる戦略を立てていけば、結果として自律的な学習習慣が身につくのでは」というアイデアだ。
家族旅行で親子探究
中学校に入学すれば勉強と部活で忙しく、遠出するのが難しくなる。思春期にさしかかればなおさら友人と関わる時間の方が長くなる。「春休みは親子で何かにトライできる最後のチャンスかもしれない」という山田さんは、親子で興味を深掘りする旅を提案する。亜熱帯の地域で昆虫採集したり海に潜ったり。著名な建築物や城を巡るのも楽しそうだし、鉄道を満喫するのも良いだろう。小松原さんも同じ意見だ。「楽しいことを親子で追求した経験は、生徒がやりたいことを見つけて探究する時にきっと役に立つはずです」と語った。
北嶺では卒業生の協力も得て働く現場の体験学習を充実させている。病院や離島の診療医を訪ね、中2ではJAXAにも行く。希望者は秋休みにNASA(アメリカ航空宇宙局)にまで足を延ばす。本物に触れさせるのは「この仕事がしたい」という強い目標を抱き自律的に学ぶ力を生徒につけてもらうためだ。家族で旅行を企画する時、子どもが日本史に興味があるなら奈良から京都へ遷都した地域をたどり、遷都に至らせた災害や疫病などにも目を向けてみる。道中に乗る飛行機はなぜ飛ぶのか、新幹線はなぜ速いのか一緒に考えると、数学や物理が社会のどこに生きているのかも分かる。郷頭さんは「観光ガイドブックの通りに旅するのではなく、子どもの興味とリアルな世界をつなげてみると、教科と社会のつながりが見えてくるのではないでしょうか」と話している。
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中学入学まで学習習慣の定着と英語・数学の準備を進めたい子どもたちへ、日能研関西の個別指導塾ユリウスや浜学園では中1準備講座の受講を受け付けている。